関節リウマチについて

関節リウマチイメージ

関節には滑膜という関節の内側をおおっている薄い膜がありますが、この滑膜が炎症を生じ厚くなり、骨や軟骨を破壊し関節の変形が生じる病気が「関節リウマチ」です。進行すると関節の変形や機能障害をきたします。

関節の炎症を主とする病気ですが全身性の病気でもあり、関節以外に肺・血管などにも炎症を生じます。女性(男女比1:4)に多く、約80%以上の患者さんは抗CCP抗体やリウマチ因子(RF)などの抗体を有しますが、これらを有さない方もいます。2020年時点で日本人患者さんは82.5万人と推定されています。

関節リウマチが発症するメカニズムはいくつかありますが、抗CCP抗体が陽性である関節リウマチの発症メカニズムはある程度解明されています。ごく簡単に述べると、「体質」+「環境」で発症します。

「環境」は喫煙や歯周炎、腸内細菌の変化などが挙げられ、これらは体内で慢性の炎症を生じます。この慢性の炎症は、体内の正常なたんぱく質を「シトルリン化たんぱく」にします。「体質」は100種以上の候補が発見されていますが、最も影響が強いのは、この「シトルリン化たんぱく」を敵として免疫に提示する「シェアードエピトープ(SE)」とよばれるHLA遺伝子です。SEをお持ちの方はお持ちでない方より4-12倍、関節リウマチにかかりやすいことがわかっています。

抗CCP抗体やリウマチ因子(RF)がない方など、他の原因で関節リウマチを発症する方も多数いらっしゃいますが、多岐にわたるため本稿では割愛し別ページに記載します。