膠原病について

膠原病イメージ

「膠原病」はひとつの病気の名前ではなく、共通する性質を持ついくつかの病気の総称です。関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性強皮症(SSc)、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)、結節性多発動脈炎(PN)が最初に分類され、以後、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、ベーチェット病、成人スチル病、血管炎(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、アレルギー性肉芽腫性血管炎)などが膠原病のグループに入ると考えられます。

関節リウマチの患者さんも、それ以外の膠原病を合併していることがあり、その場合は関節リウマチの治療も合併する膠原病により調整が必要なことがあります。

膠原病を発症する原因は、「免疫」の異常にあると考えられています。私たちの体には、細菌やウイルスのような異物を排除し、自分を守るための「免疫」という機能が備わっています。一方で、自分の体をまるで異物のように認識し、排除しようとする免疫の暴走を「自己免疫」と呼びます。膠原病の患者さんの体の中には、自分の体を攻撃する細胞(自己反応性リンパ球)や、蛋白質(自己抗体)が存在し、これらが皮膚や筋肉、関節、内臓、血管などに炎症を起こすと考えられています。

近年、研究の進展に伴い、膠原病に対する病態の理解や治療方法の開発が進んでいます。主治医とよく相談しながら、ひとりひとりの患者さんが、ご自分の病気の状態やライフスタイルにあった適切な治療を受けることが大切です。

当院の特徴の一つとして、膠原病の病勢に関わる血液検査(CRP、補体、免疫グロブリン、KL-6、RF、MMP-3など)を院内で速やかに測定できる機械を導入しています。これにより、受診日の病気の評価をより正確に行えると考えています。

一般社団法人 日本リウマチ学会ホームページを一部引用